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補陀洛渡海






          (ふだらくとかい)補陀洛渡海


          観音菩薩の浄土である補陀洛山に、往生または参詣する目的で

          個人でまたは集団で出船すること。

          補陀洛山は海上の彼方にあると信じられた。

                                        『日本の神仏の辞典』







ざけてんじゃねえよ、とサンジは毒づく。


まったく、コイツの頭の中にはこのコトしかねえのか。畜生。

それこそ犬畜生みてえに俺の顔見りゃ、尻に乗りたがりやがって。手に負えねえ。

つうか、まだお天道サンはあんなとこだぞ、真昼間だ。

それが、何だってこんなに薄汚い破れ寺に籠ったりして。こんな、野郎の股座おっぴろげて、尻を剥き出させたりして。手前、何が愉しい。

いい加減にしやがれ、糞、と背中を蹴飛ばしてやれば、五月蝿ぇ、とその足首を掴まれた。

ああ、やられたな。油断した。これだとそのまま腿裏まで晒しての大股開きにされるな、とサンジは苦笑する。

それでも薄ら笑ったまま其を許して、掴む掌を足首からまともに蹴り払ったりしないのは、どういうことだ。


自分でも訝しい。




俺も甘くなったかな、病み犬やって廻ってる間に、性根が腐れたか。









極道の癖に、群れるのが大嫌いだった。こんな外道と群れて堪るかよ、と蔑んできた。


それで始めたのが、病み犬。

怜悧に辛辣に冷酷に、入り込んだ組の弱み綻び所を嗅ぎつけて、他の組に売っ払う。

素性がばれたら自分どころか係累皆、ぶち殺される病み犬風情が、こんなにしたたかに生き残って、今じゃ極道の世界じゃいっぱしのカオになっている。


そんなサンジを、化け犬、厄病犬、と忌み嫌う者は多い。いや、嫌うな、というのが無理だ。

しかし、元々、オウ、病み犬だけどよ、と倣岸に高飛車に嘯きつつ、堂々と正面から入って来るサンジは、一向に犬の卑屈さとは無縁だ。


義理も人情も何もかも。こそげ落とした。


利用するものは何でも利用して喰い生き残る、とすっきりと乾いた怜悧そのものの笑いで言われて、どうだ俺は要らねえか、と言われれば、そのまさに化物じみた戦闘力と冷徹なまでの頭の切れで、咽喉が出るほど欲しがるのが殆ど。いや、断れる組は無い。

というよりも、あの組はサンジを拒んだ、あの病み犬を容れる度胸が無ぇ、と嘲笑されることを、極道の世界では既に怖れ始めている。

身内に取り込めてしまえば、しばらくは周囲の組との敵対に有利、まあ裏切るまでの時間がどれほどかは不明だが、という、危険な諸刃のコマとして、サンジは飄々と極道渡世を送っている。

だからこそ、恨みも買う。遺恨も残る。

既に何度も殺されかけている。


いや、今まで五体無事に生き存えてることこそ、僥倖。

蜘蛛の糸を綱渡りするような渡世だ。

あっちへふらふら、こっちへふらふら。

渡るのは極道な娑婆か、斬られ病み犬の冥土か。


まあ係累も居ねえ、天涯孤独だ、殺されたって気楽なモンで、と薄笑いを浮かべるサンジが、とある土地で病み犬稼業を終わらせて、次の仕事に、と選んだ先は、東京。

天子様が京から遷都して、移られた、昔の江戸。


栄える一方の土地は、役人臭くて敵わないが、でもまあ、イキがいい極道が多いから、甘い汁、吸わせてもらうかな、生き血をすする、の方が近ぇけどな、とサンジが嘯きつつ、ゆるりと旅をしていたら、
行き当たった。

いや、行き当たられた。




旅飛脚。




俺に? 誰が俺に? とさんざん問い詰めても、いや俺も東海道を下ってくる金髪の男見かけたら渡せ、そう言われただけなんで、と文を押し付けられて逃げるように去られた。

しかも、どうもこいつ独りだけじゃないらしい。

東海道だけで同様の文を五通は受け取った。聞けば、中仙道やら他の街道にもかなりな人数が「金髪の極道」に、と言い含められた文を持って、うろうろしているらしい。

しかもそれだけで不安だったら、「病み犬」と言ってみろ、だと。ふざけるのも大概にしろ。



文を開けば。



獄に居る、だと。



斬首も決まりそうだ、だと。






ふざけんな。






小塚原の刑場の露にでも勝手になりやがれ、ロロノア・ゾロ。


勝手に死ねや。この極道。外道。



ゾロ。

似合いだ、貴様に。斬死は。

はは、笑えるな。獄門じゃねえのが笑えるな、さては貴様、元は武家かよ。笑えるな。


いや、今は士族、とか言うのか。ご一新の御時世とはいえ、言葉面を変えただけで変わるものか、この武家崩れが。

龍の刺青など彫りながら、どこか凛冽とした空気を漂わせた、あの極道をサンジは思い出す。




唯一、病み犬稼業で関わった中で、自分が闘ってもいい、と思った男。



いや、闘ったのならどこまで強いのか、俺を殺せるくらいか、俺はこいつを殺せるのか、と血を滾らせるまでに見事な剣を遣う、男。


そういや寝たこともあった。

でか過ぎるブツを捩じ込まれて、精を洩らすのも一苦労な、さんざんな思いをさせられた。


あの時に見た竜の刺青、膚の上で汗を弾いてぬらりと濡れる鱗の絶妙な色。


全身を龍の刺青で取り巻いた、気違いめいた眼の男。極道。外道。



そういえばあの男の居た土地で病み犬稼業をして、そこを離れてからは消息を聞かなかったが、まさか江戸まで流れていたとはな。


いや、あの土地で大きな極道同士の出入りがあった、とも聞いたな。

首班、つうことであいつがしょっぴかれたか。首都の獄にまで連れられたか。

長ではないにしろ、実質的にはあいつが一番の戦闘力の組だった、そりゃ目をつけられてもしょうがねえ。


しかし、まあ、江戸、もとい、東京の獄に繋がれているとは。斬首とは。



・・・・。




見物じゃねえか、とサンジは薄く笑う。


前に一度、あいつに、死にかかるかと思ったくらいの責め抱きをされたことがある。

病み犬稼業で下手を打って、全身怪我血塗れ、濡れ鼠で山中に縛り付けられてた時、あいつは俺の尻を使いやがった。まあ、その後で縄を解いて里に俺を担いで行ったのは奴だが。


でもよう、ゾロ、「手前を殺せるのは俺だけだ」、とかあの時言っちゃあいなかったか。


それが、刑場の露に消えるつもりか。笑わせる。



なら見物するか、揶揄するか、嘲笑ってやるか、と急いで街道を東京に進めば、箱根の関を超えぬ処に。








居た。


ゾロ。



手前何で此処に、と絶句したサンジをちらりと見遣り、大声出すな、関所役人が来る、コッチだ、とぐいぐいサンジの手を掴んで、有無を言わせずどんどんと山の中へ。

脇街道、裏街道、山道を経て、枯草を踏みしだくようにして走り、その末に、ここらでいいか、と押し込められたのが、この破れ寺。

そういやどうして俺までがこいつと一緒に逃げなきゃならねえ、俺は兇状持ちじゃねえぞ、とサンジがやっと気がつく頃には、ゾロの手がサンジの裾に、懐に、と潜り込もうとしている。

冗談じゃねえぞ、と噛み付いても、平気の平左だ。蛙の面になんとやらか、死ね。糞。


牢抜けかよ。この兇状持ち。掴まれば獄門は堅いな。

そう嘲ってやれば、

「いや、捕り物に来た役人の爺さんが面白くてな、俺が掴まってくれねえと給金貰えねえ、とか愚痴りやがるんで、面白くなってな。喰えねえ爺だったな。まあでも牢にも飽きたし、斬首がどうこう、言い始めたから出てきただけだが、それが?」

とか抜かしやがる。とんだ阿呆だ。

何処に頼まれて獄入りする馬鹿が居る。

まあここに居るが、しれしれとした顔で牢抜けなぞしやがって、うっかり同道しちまった俺は偉ぇ迷惑だ、糞、表街道でコイツと話してるのを見られでもしてねえだろうな。後が面倒だ。



おい、いつまで俺に乗っかってやがる、退け、と蹴ってやれば。


「オイ俺のこと、覚えてるか」


と呟く。

ハア?と固まれば、上に圧し掛かった不埒な男の手が、男根に絡む。後ろの肉穴をつるりと触れる。


まさか今の台詞、俺の尻に言ったのか? 呆れた馬鹿だ。



死ね。死んでこい。




「俺以外に、犯らせてねえよな?」


だと? ふざけんな。手前に操立てる謂れはねえよ、とサンジは額に青筋立てて怒ったが、ゾロはそんな事は臆面も無しに、俺以外の奴に犯らせんな、殺らせんな、とふざけた口を叩きやがる。



誰がそんな事ぁ許したよ、と蹴れば、オウ俺が決めた、遵守しろ、だと。馬鹿か。


死ねや、この外道。腐れ外道、そう喚けば、ああそうだ腐れたかもな、もう極道やんのも飽きたな、と力が抜けるような事言いやがる。



馬鹿か。

本当に貴様、馬鹿なのか。


斬首、牢抜け、人斬り、さんざんな兇状持った手前が生きる道は、極道以外にねえだろうが。阿呆。

元武家だか何だか知らねえが、いい加減にしやがれ。世間知らずにも程がある。だからのんべんだらりとこれまで極道やってきたか、手前みたいな男がよ。

ああ、手前みたいな男がよ。





「なあ」


何だよ


「どっか、行くか」


どこに


「英吉利だの仏蘭西だの亜米利加だの、色々あるんだろうがよ、何も此処に拘らなくていいなら、行かねえか、愉しそうだろうがよ、此処よりも」



強ぇ奴も一杯居るだろうしな、船なんざ盗みゃいい、と続けるゾロに、サンジは絶句する。





海か。




海の向こうか。





此処ではなく、病み犬の、腐れ極道の、長崎出島入りの遊女が産み棄てた鬼子のなれの果てとして過ごす此処ではなく、別の土地か。別の海か。






別の俺か。







茫漠とした海を思い、サンジは絶句する。

あれを越えてゆくことができたなら、俺は病み犬じゃなくていいのか。

嘲弄し盗み裏切り殺し篭絡し掠め騙し、をしなくて済むのか。





見開くサンジに、ゾロがニヤリと笑っている。


「武家にも、極道にも、飽きたしな。この土地にも飽いた。でも手前には飽きそうにねえから、来い。一緒に来い。どうせ手前も此処には飽き飽きしてんだろうが。目が腐れる寸前、つう面してるぜ?」

まあ俺ァ道に暗い人間だが、海なら何とかなるかもしれねえしな、とか、ほざく。



ならねえよ、馬鹿。そう蹴りつけてやれば、その足首も、ゾロが掴む。


これで両の足首が、掴まれた。ぐり、と尻に押し当てられる凶悪なブツの熱さに、サンジがオイまたかよ、とうんざりした声を上げる。


オウ、手前は裏切りかきやがるから、身体だけでも俺のモンにしとく。黙って抱かれてろ、勝手に抱いて手前の身体に俺の癖つけてやんぜ、とゾロが恐ろしいことをさらりと言う。


てめえやっぱり極道じゃねえのか、その無礼っぷりはよ、とサンジは苦笑。苦笑以外にどの道があるよ。阿呆か。


オラどうせ犯る気なんだろ、ちったあ慣らして入れるくらいの小技効かせやがれ、そう揶揄してやれば、ゾロがオウ、大人しくしてりゃな、と倣岸に言ってのける。


馬鹿野郎が、手前ふざけんな、縛られた俺を犯った事ァ忘れちゃいねえぞ、動けもしねえ俺を好き放題してくれたじゃねえか、アア!?



吠えるサンジを剥きながら、ゾロは嬉しげに笑った。



「牢から金遣いまくった甲斐、あったな」


「アア?」


「手前を旅飛脚で掴まえるのに、牢から裏手回しまくった。もう逆さに振っても金なんざ無ぇよ。すっからかんだ。オウ、溜め込んだ金、吐き出せや、病み犬」



極道の次は手始めにまず追剥かよ。しかも狼藉まで働きやがるか。いっそ勤勉、てもんだな。糞外道。



死ね、一遍殺してやんよ、と言いながら、サンジはゾロの襟を肌蹴て、龍の刺青を露出させる。

剥き出しの胸に、筋肉の上に派手やかにしなやかに広がる、龍の鱗を、サンジは視る。


まあ、龍だしな。

海に溺れたりは、しねえだろうし。

つうか、殺しても死なねえコイツを、英吉利だろうが阿蘭陀だろうが、殺せる奴が居るか。



居るなら。俺だな。

抱いてる俺に、殺されろ、手前。




笑いながら、サンジは手を伸ばす。初めて腕を胴に回せば、ゾロが一瞬驚いた顔をして、次の瞬間破顔した。

癖でも何でもつけてみやがれ、つけられるモンならな。


手前に俺の癖、教えこんでやるんだ、憶えとけ。



海の色の目を欲情で熱く蕩かしながら、サンジは不遜に笑んだ。








コイツと一緒の船出か。航海か。

まるで、道行に等しいな。

命が幾つあっても、足らないような事、しでかしてくれんだろうな。やっぱりな。



海か。

海か。

海か。




板子一枚下地獄、な世界だな。


でもどうせ俺らはどこに居ようが、どこに伏そうが、敵さんから襲われればすぐに斬り蹴り殺す修羅の生活だったから、地獄の様子が変わるだけで、変わりはねえな。



いや、もうこれは補陀洛渡海かよ。



昔の馬鹿げたまでに熱狂した信仰の船出を思い、サンジは苦笑する。




浄土など、何処にある。



俺らみてえな蟲どもが浄土を願うなど、おこがまし過ぎて、笑える。



俺等みてえな汚ねぇ蟲どもが浄土を願って出航したところで、補陀洛山、観音菩薩の浄土は遠ざかるだろう?



なあゾロ。



俺等が欲しがるのは浄土なんかじゃ無ぇ。

そんな浄い処でなんか、息もできねえよ。



むしろ。


求めるのは。地獄。奈落。冥府。




己の欲も業も全部剥き出しにした、地獄。

板子一枚下地獄か、上等だ。


そこで臓腑をぶちまけるようにして、互いを喰らい合おうや、ゾロ。


獣みてえな手前も俺も、好き放題に生を貪ることのできる地獄、それが俺らの浄土だな?



救われねえ。

救いようもねえ。



だから、もう浄土なんざ要らねえよ。

極道、外道、畜生で充分。

餓鬼のように互いを喰い合おう、ゾロ。

遠慮は無しだ。貴様が逃げを打ったところで、俺が喰らい尽くしてやる、ゾロ。





全身を噛み付くように貪れながら、サンジは薄ら笑う。


補陀洛渡海か。


まあ、船出するには調度、都合良い言い訳だな。

遠くに、遠くの海の果てに、観音菩薩の浄土がおわす、か。



ああ、俺らも補陀洛山めざして行こうや、と、サンジはゾロの背中に腕を回して、そう嘯く。

板子一枚下、の地獄、海を、そのうちに従えよう。


で、行こう、異国へ、英吉利でも亜米利加でも仏蘭西でも。






まあ極道に慣れきったこの身体がココロがありゃ、どこにでも俺等の地獄は顕現する。








くたばりやがれ、と笑って脚を開けば、ゾロが下帯を千切りとらんばかりに剥く。

膚が狂ったように熱くなるのを感じながら、サンジも見事な龍の刺青に抱かれた見事な男の身体に纏わる、邪魔な衣を剥く。剥ぐ。


さあ抱けよ。俺も貴様を抱いてやる。犯してやる。俺の癖憶えこませて俺の匂い染み付かせて、俺から逃げてもすぐに掴まえられるようにしてやる。


入れろよ、そう囁けば、入れるぞ、とゾロが同時に囁いたところだった。ハハ、笑えるな。


欲情に昂ぶりきった男根に貫かれるために、サンジは呼吸を深く吐く。ゆるりと身体を柔らかくする。




眼裏には、地獄。浄土。

まあその内に、この身体は地獄にも浄土にも似た愉悦と灼熱に狂い始める。

そら。

もう。










(end.)











kaminyoさまより頂きましたvサン誕小説第一弾、極道ゾロサンそのBですv


どの世界にいても”海”に出るサンジv
キュンときますねぇ〜vvv


そしてゾロ・・・(笑)
面白かったからつかまっちゃうの?(笑)
貴方が面白いデスヨ(笑)
でも、それがなんだかゾロらしいですv

獄中に金ばら撒いてサンジ情報ゲットするあたりも(笑)
流石ゾロ!金に糸目はつけません(笑)


極道ゾロサン3本ともお持ち帰りさせて頂き、kaminyoさま、ありがとうございましたv


                 2004.04.09


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