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タイムリミット





−1−




「サンジ君・・・ゾロ・・・頼んだわよ」

GM号からナミの心配気な声が聞こえてきた。
その声に船から降りたサンジとゾロが振り返る。

「心配すんな。ログを溜めて必ず戻る」
「任せてぇ〜、ナミさぁ〜んvv」

ナミに見送られてゾロとサンジが降り立ったのはログポースが示す小さな孤島。
周囲の海はコバルトブルー。
砂浜はまるで極めの細かいシルクのような感触。
中心を占める森林はマイナスイオン満載のリゾート地。
ましてやリュックを背負って降り立つ二人はピクニックの様相だ。

冒頭にあるナミの沈痛なセリフがまるで嘘のような楽園地帯。
だが・・・彼らを見送るクルーの表情は何処か暗い。

「大丈夫だって、ナミ。アイツらならきっと帰ってくるさ!
 なんせこのキャプテンウソップが見込んだ男達だぜ!
 どんな死地だってくぐり抜けてきたじゃねぇか!だから・・・」
「そうね・・・そう信じていなきゃ・・・いけないよね」

ウソップの慰めの言葉にナミは大きく頷いて島を見据えた。
二人がその島へと入り込んだ途端、
周囲に風が吹きすさび、海流が大きくうねり出す。

ログポースを持つ二人が入るのと同時にその島は閉鎖された。
孤立無援の中、ログが溜まるまでの24時間を彼らはその島で過ごさねばならない。
24時間後に、たった5分間だけ開くという
ログポースが示す島の出口を目指しながら・・・・。





その島の名は「ショート・ロング島」
別名”置いてけぼりの島”と呼ばれていた。








−タイムリミット−









「しっかし・・・何にもねぇ所だなー、ここは・・・」

朝日が登るのと共に海岸沿いから見える森の入り口に入ってしばらく。
鬱蒼と繁る木々の合間に二人の姿があった。
入った当初は薄暗かった空も日が高くなるに連れて、少しずつ森の中を照らし始めた。
しかし、目に映る草木には果実所か、花すらついていない寂しい色合いが続き
先頭を切って歩くサンジが獣道同然の細い道を探しながら思わずそう呟いた。
いや・・・呟いたと言うよりは後ろから着いてくる剣士に向かって
そう問いかけたのだろう。
だが、剣士=ロロノア・ゾロはそれを聞いてか聞かずか、
周囲を伺いながら、ただ黙ってサンジの後を着いていく。

「あ〜あ、これがナミさんと二人っきりだったらなぁ〜!
 こんな鬱蒼と繁る林の中も、木漏れ日イッパイの
 二人だけの楽園に早変わりなのによぉ〜!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「それを・・・何でよりによってこんなむさいクソ野郎と一緒にいなきゃなんねぇのかね。
 あ〜あ、最悪だっつーの。それもそのクソ野郎は完全な無口人間ときたもんだ。
 もうちょっとシャレの一つでも判ってくれるような楽しい野郎だったらいいのによ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「しかもこんな蒸し暑い所で余計むさ苦しくなるような筋肉見せつけやがって。
 てめぇはもう少し人を楽しませようという親切心がねぇもんかね。
 さっきから黙ってばっかりでちっとも返して来ねぇじゃねぇかよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「判るか?会話っつーもんは、心と心のキャッチボールだ。
 俺が投げたらそれをお前が受ける。で、またそれをお前が投げ返す。
 それで会話が成り立つんだぜ。なのに・・・てめぇは黙りかよ!
 この俺が気を利かして
 一生懸命この場を和ませようってぇ思ってんのが判らんか?ああ?!」

さすがのサンジもずっと黙り続けるゾロに向かって抗議を始めた。
一人で喋るのに少々飽きてきた模様だ。
だが、ゾロの方はそんなサンジに片眉を一つ上げて・・・。

「・・・・・・・・・・・・おい」
「・・・・・んだよ。やっと俺様と会話のキャッチボールをする気になったか」
「うるせぇから、少し黙れ・・・・・」

ガーーーーーン!!
俺のナイストーキングを・・・うるせぇだと?!
普段ならばこのまま喧嘩を仕掛けて絡みの一つもしそうなサンジだが
今回の任務をナミからお願いされている身としては
この場を和ませて何とかこのむさ苦しい剣士と力を合わせ
任務完了を果たしたいと思ってずっとひたすら喋り続けていただけに
ゾロの「うるせぇ」の一言が相当利いたようだ。

ショックの余りか急にしゃがみ込むサンジ。
地面にいじいじと”の”の字を書き始めた。

「おい・・・いじけてる暇があったら先へ進め。クソコック」
「いいんだよ・・・俺ぁ〜・・・。
 どうせ、クソ野郎一人和める事さえ出来ねぇつまらない男なんだよ」
「ったく、おめぇがログポース持ってんだろうが。
 おめぇが先に進まなきゃどうにもなんねぇんだよ」

どんよりと暗い空気を背負うサンジにゾロはため息一つ吐いてその背中を押した。
そうだ・・・。
俺達ゃ先に進まなきゃどうにもならねぇ。
ここで24時間生き残るだけじゃない。
生き抜いて・・・この島から脱出しなきゃなんねぇんだ。

この訳の判らねぇ・・・島から・・・な。






************************************







それは昨日の夕食時。
次の日の朝6時には新しい島に到着するという話題が上がった時の話だった。

「今回の島は厄介だわ」

次の島の文献が少ないとここ数日夜通し調べていたナミが
サンジからブラックコーヒーを受け取りながらそう切り出した。
そう言う事には一切気遣いのないルフィが
なにが?と夕食をハグハグ食いながらナミに問う。
いや、口イッパイにほおばった状況では
「何が?」も「ぶぁにが?」に変わってしまって聞き取る方も幾分厄介だ。
更に喋った拍子に口から数点の食べかすが飛び散れば・・・。

「んもう、ルフィは!食べるか、喋るかどっちかにしてよね!」
「ぶばっ!」

ゴイン!と一発、ナミの鉄拳がルフィの脳天に突き刺さる。
その衝撃で更にルフィの口から食べかすが飛び散れば
今度は料理が並ぶテーブルにまで被害が及ぶ。
だがその辺は他のクルーも心得たモノ。
ルフィの決まった言動と行動が飛び出せば、ナミの行動も自ずと読める。
ナミの鉄拳が飛び出すその前に自分の料理はしっかりと頭上へと持ち上げ
ルフィの食べかす攻撃も難なく回避された。
勿論、その後にはテーブルを綺麗に片づけるサンジの姿とそして踵落とし。

「いでっ!!何でサンジまで俺を蹴るんだよ!!」
「ったりめぇだろうが!食卓を汚すモノはメシ食うべからずだ!」
「だってナミが俺の頭を殴るから・・っ・・・いだーーーっ!!」

余計な一言を出すルフィに今度はサンジとナミのダブル攻撃。
結局ルフィはテーブルの下に撃沈されるハメとなった。

「ったく・・・ナミさんのか弱い拳をなんと心得る!
 有り難くお受けするのが、男の努めだろうが。ねぇ、ナミさぁ〜んvv」
「はいはい・・・」

メロリンモードのサンジをとりあえず軽くあしらい、
ナミは話を続けようと食事を再開するクルーに向き直った。
何が厄介なんだ?とチョッパーが話を切り出してくる。

「そうね。島の状況がよく判らない所が・・・厄介と言えば、厄介かしら」
「状況が判らない・・・?・・・なんでだ」

ナミの真剣な面もちに珍しく、剣士が口を開いた。

「さぁ・・・それも判らないわ。確かにこの島でログポースを溜めた人達はいるのよ。
 それに関しての文献が残っているぐらいなんだから・・・。
 でも・・・何故か頑なにその島での出来事を口にしないみたいなの。
 島が一体どういう状況なのか・・・、その中で何が起こっているのか・・・」







************************************






「おほっ!見ろよ、クソ剣士」

ゾロに促されながらぶつくさと先頭を歩いていたサンジが思わず感嘆した。
それに続いてゾロもサンジが指さす先を伺い思わず呻く。

「うわ・・・・なんだこりゃ・・・」
「な?すげぇだろ!こんなにたくさん花が咲いてるなんてよ。
 見てみろよ!すげぇ綺麗じゃねぇか!他じゃ滅多に拝めねぇぜ!」

サンジが言うように辺り一面に真っ赤な花が咲き乱れているのだ。
どれもこれも見たことのない、
原色がそのまま花びらに彩られているような真っ赤な花だ。
中にある雄しべに相当する部分は黄色く、茎の部分は色鮮やかな緑。

「おおい!クソ剣士もちょっとこっち来てみろよ!
 なんだかすんげぇ気分がいいぜ!」

こんな花・・・滅多に所か・・・初めて見るぜ・・・。

サンジが珍しい花に浮かれ、その中央へと踏み出しはしゃぐ気持ちとは裏腹に
ゾロは逆にその色の鮮やかさに不気味ささえ覚えていた。

”島の状況が判らない”

そう言ったナミの言葉が蘇る。

島の外部は一見、楽園のような面もちさえ見せ、
更にその内部は綺麗な花が咲き乱れ、緑豊かなリゾート地。
これほど素晴らしい環境でありながら、
何故この島の状況が他へと言い伝えられていないのか。
何故24時間という限定されたログの溜まり方になるのか。

そして・・・ナミがあの時言った・・・言葉・・・。








************************************








「おおお・・・おい!そんな訳のわかんねぇ島に降りなきゃなんねぇのかよ?!」

島の話を聞いてウソップが驚愕した。

「だってしょうがないじゃない。ログポースが示す島なんだもの」
「うぐぐぐぐっ・・・・じ・・・持病の・・・訳わかんねぇ島に降りてはイケナイ病が・・・」

ウソップが胸元を押さえて苦しみだす。
しかし、それを気にかけてくれるのはチョッパーぐらいなモノだろうか。
そんなウソップの姿を横目で見ながら
厄介なのはそれだけではないとナミは首を横に振った。

「この島はね。海楼石で出来ているみたいなのよ」
「えええ?海楼石?!」

今度はチョッパーが驚愕する。
海楼石は悪魔の実の能力者を動けなくしてしまう
ある意味、能力者にとっては恐ろしく危険な代物だ。

「海楼石?それは厄介ですね、ナミさん。
 それじゃ、ルフィやチョッパーに影響が出ちまう」
「でしょ?!だから私達全員は下船出来ないって事なの」
「じゃー、俺とルフィで船番をしなきゃならないって事か?」

ルフィとの二人っきりの船番を想像して
色んな困難を予想したチョッパーが目を丸くした。

「そういう事になるけども、問題はそれだけじゃないのよ。
 下手に人数を増やして降りても・・・逆効果かも知れないわ。
 とにかく・・・何とか無事にログを溜める方法を考えないと・・・!」
「大丈夫だ!何とかなる!気にすんな!ナミ!」
「何とかなるってねぇ・・・あんたは特に気にしなさいよ!!」

危機感の全くないルフィの一言にまたもやナミの拳が炸裂する。
さっきよりも更に強烈な一発にルフィが涙目になりながらナミへと抗議をするが
ナミは頑として引き下がらなかった。

「あのね!本当にこの島は危険なの!
 遊びで私がこんな話をしてる訳じゃないのよ!」
「けどよ〜・・・ナミぃ〜・・・俺だって島に降りたいもんよぉ〜・・・」
「この島!この”ショート・ロング島”がなんて呼ばれてるか知ってるの?!ルフィ!!
 別名”置いてけぼりの島”!!
 必ず誰かが一人この島に残るハメになるからそう呼ばれているの!!」
「誰かが一人・・・残る羽目になる・・・?」

クルーの息を飲む声がキッチンに響いた。
ナミが沈痛な面もちで口を開く。

「この島のログは一日で溜まるわ。
 だけど、その短い滞在の影には
 誰かが長い滞在を余儀なくされてしまうっていう不気味で不可思議な島なのよ・・・」







************************************








長い滞在を余儀なくされる・・・ってな・・・どう言う意味なんだ?
誰かが人身御供としてこの島に残れという事か?
それならば・・・以前に残った人間がこの島の何処かに居る事になるが・・・
そんな気配は今の所一切感じられない・・・。
それにそんな史実があるのならば、何かの文献に残っていてもおかしくねぇだろう。

答えはそんな単純なモノじゃない気がする。

そんな単純なモノならば・・・わざわざログを溜めるのに一日も要らねぇだろうし、
島の中をグルグルと歩き回す必要もねぇだろう。
それに・・・困難とは言え、島を抜ける方法があるってぇ事は・・・
誰かがそれを言い伝えているってぇ事だ。
なのに・・・何故この島の事が残ってねぇ?
言えねぇ・・・何かがあるってぇのか・・・?

「おい!クソ剣士!」
「あ・・・?」

考え込むゾロに向かってサンジが声をかけてきた。
見ると、花畑の中心にしゃがみ込んで、ヒョイヒョイと手招きをしている。

「んな所でボーッとしてねぇでこっち来てみろって!
 すげぇいい匂いがするぜ、この花。ちょっと他ではお目に掛かれねぇよな」

ったく・・・しょうがねぇ。
と・・・ゾロは渋々サンジの側へと近づいていく。
サンジのご機嫌は更に上昇気流に乗っかっているらしく
地面に咲く一輪の花を摘み取り、その匂いをスーッと一息吸い込むと
ゾロに向かって普段見せないようなデレッとした顔で話しかけてきた。

「なぁ、なぁ〜、この綺麗な花・・・ナミさんに持っていったら喜んでくれるかなぁ〜。
 『あらぁ〜サンジ君、なんて素敵なお花なの!』
 『ナミさんの為に摘んできました、一輪だけ・・・』
 『こんな素敵な花ならば、一輪だけなんて・・・勿体ないわ』
 『ああ、でもナミさん!あなたの美しさの前ならばこの綺麗な花でさえ
  霞んで見えてしまうと言うのに〜!
 是非是非あなたにこの一面の花畑を捧げたい〜!』
 『サンジ君!素敵〜』
 『ナミさん!愛してる〜』」

ブッチューーー!
自分の両肩に手をまわして、
サンジはキスシーンまでもを再現してゾロに見せてくれているようだった。
突きだした口は空想のナミへ、キスの真っ最中らしい。
バカバカしい・・・。
普段からノータリンなコックだと思っていたが、
ここまで救いがたいバカだったとは思わなかった。

「はぁ・・・・」

ゾロは大きくため息を吐いた。
こんなバカと一緒で本当にこの謎の島で一日やっていけるのだろうか?
それとも・・・この島の奇怪さは単なる取り越し苦労で
本当は、誰もが人に言うのを躊躇うほどの美しい未開の楽園なんだろうか・・・?

「・・・・・ん・・・?」

上から聞き慣れない声が聞こえて、ゾロが顔をあげた。
見上げた上空には色鮮やかな鳥が二匹、空を飛び交っている。
その姿と羽の色合いはまるでこの島の優雅さを表すかのように華麗で優美だ。
そして新しい訪問者が気になるのか、
自分たちの頭上で飛び回り、時折、奇妙な声で鳴いている。


・・・・ケー・・・
・・・ケー・・・・


「・・・け・・・?」

け・・・って、何だ?
カラスは・・・カーだよな。
でも・・・あれは綺麗な色してっから・・・カラスじゃねぇか。
やっぱ・・・ここは生き物さえも珍しいモンばっかり居るって事なのか。

ふ・・・と、とりとめのない事を考えた一瞬。
すぐ真後ろにサンジが立っている事に気づいた。
慣れた気配だ。
気づいていてもゾロが気に留めなかったのも無理はない。

だが・・・近づいてきたサンジはそのままゾロの腰に手をまわし
そして、一気にあるモノを抜きさった。

「なっ?!」

慌てて腰に手をあてたが遅かった。
刀が一本抜き取られている。
それも切れ味抜群の和道一文字。

抜き取られた和道一文字はサンジの手の中で不気味に光っていた。

「おい・・・クソコック・・・何のマネだ・・・・?」

サンジは答えない。
そのまま刀の柄を握りしめ・・・・ゆらりと・・・ゾロへその刃を向けた。









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