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タイムリミット





−9−




「やっと・・・やっと、洞窟を抜けたぜ・・・」

ぜーはーと大きく息を切らせながら、二人が洞窟を抜け出したのは
時計の針が、後数分で午前6時を指そうとしている時だった。

「・・・・やべぇな、ギリギリ・・・って所か・・・」

時計の針を確認したサンジは、
突然襲ってきた頬の痛みに思わず手をあてる。

「痛っ・・・あの野郎・・・思いっきり殴りやがって・・・」

サンジの両頬が若干腫れ上がっていた。
そして、その後ろで周りを確認しているゾロの頬も幾分腫れ上がっていた。

何せ、洞窟内には、例の木の根っこがあちこちと顔を出しており、
その根っこから樹液が垂れる度にゾロとサンジは言い争いを続け、
そして、「これは樹液のせいなんだよ、ちきしょう!」と
お互いの頬を殴り合っては正気に戻して、洞窟を抜け出してきたのである。
2時間ひたすらに殴り合っていれば、彼らの頬が腫れ上がるのも無理はない。

少しヒリヒリする頬を撫でて、サンジは空を見上げた。
空が少し白んで来ていた。
太陽が地平線の向こうにチラリと顔を覗かせている。

「・・・ここはどの辺なんだ?」
「さぁな・・・俺達が入って来た所とは・・・全然違う場所みてぇだが・・・」

ゾロは洞窟の出口から伸びている一本道をそのまま歩いてみた。
周囲の景色からして、どうみてもこの辺は高台のような感じがする。
確かに、洞窟内では上へ上へと上がっていくように道が続いていた。
と言うことは・・・出口は高台の側にあると言うことなのか、それとも・・・?

洞窟から続いていた道は高さ30メートルほどの切り立った崖の手前で途切れていた。
その先端で足を止めたゾロはそこから見える光景に思わず息を飲む。


「・・・・これは・・・・」


崖の下には、海岸へと続いていく、細く長い砂利道。
そして・・・その砂利道の途切れた遙か遠くには、
この島を覆う大量の雲と吹きすさぶ風。

その雲と風の向こうに見える地平線から太陽が昇り始めた。
淡く海を照らす太陽の光が徐々に広がり、島へとその光を伸ばす。

一筋の光が、島の雲に到達した途端、
その光に切り裂かれるように雲が割れ、風が左右へと流れを変えた。

同時に、周囲の海の水位が少しずつ下がっていく。
島の出口を表す、雲の切れ間が完全に開ききった時、
海の下に隠れていた、島の出口へと続く長い、長いその道は姿を表した。


誰も寄せ付けず、誰も島へと立ち入れないようにしていた島の壁とも言うべき
雲と、風と、海が一筋の太陽の光によって、打ち壊され、その扉を開けたのだ。


「おい、クソ剣士!もう時計の針が6時を指してるぜ!
 ログポースもグルグルと回り始めて・・・・・うお?!」

動かないゾロにシビレを切らして、近づいてきたサンジも
その光景に思わず目を見開いて見入ってしまった。
自然の中では全く考えられないその動き、その光、その情景。

朝日を背に島の出口が左右に大きく開いていく瞬間。
長く伸びる一本の道の向こうに切り開かれた未来への扉が見えた。

あの道の向こうにこの島の出口がある。
みんなの元へ戻れるのだ。
ログを溜めて・・・・無事に帰る事が出来るんだ!

「お・・・おい!何やってんだよ、クソ剣士!
 もう24時間経ってんだよ、俺達はこの島から出られるんじゃねぇか!
 早いトコ、あの出口へ行こうぜ!」

サンジは未だに動こうとしないゾロを促した。
だが、ゾロはその道の途中に見える二つの影を捉え、渋い顔を見せる。

「・・・いや、焦って行くと奴らの思うツボだぜ」
「奴ら・・・?」

ゾロが顎で示す先にサンジは視線を向けた。
遠く、出口へと向かう道の真ん中にいるのは、
色とりどりの羽に身を包んだ、例の2匹の鳥達だ。
散々自分たちを追い回し、窮地に陥らせたこの島に巣くう唯一の生き物。
二人の魂を取り損ねた腹いせか、
もしくは最後の罠を自分たちに仕掛けてきているのか。
鳥特有の無表情の眼が逆に不気味に光って見える。
サンジは、銜えたままの火の点いてないタバコを上向きにギロリとその道を睨んだ。

「・・・・かといって・・・ここでジッとしている訳にはいかねぇだろ」
「・・・まぁな」
「すでに出口が開いちまってる。残り時間は5分もねぇ」
「一か八か・・・行くしかねぇか」
「ったりめぇだ。今月の俺は運勢がいいんだぜ。死にかけも生き返るほど絶好調だ」
「ほぉ〜・・・それは奇遇だな。俺も生き埋めぐれぇじゃ死なねぇぐらい運がいい」

ゾロがニヤリと笑って、サンジを見た。
サンジも銜えていたタバコを上下に揺らし、ゾロを見る。

「なら・・・どっちが運がいいか・・・試してみっか?クソ剣士」
「望む所だ・・・・クソコック」

島の出口までおよそ300メートル。
出口をチラリと一瞥して、二人は来た道を数歩下がった。

ピタリと止めた足をまた切り立った高さ30メートルの崖へと向ける。

そして・・・二人は一気に崖に向かって走り始めた。
加速する二人のスピードは止まらない。

崖の端へと利き足が踏み込んだ。
崖を蹴り込み、大きく体を跳躍させる。



「うおーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


「とりゃーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」



二人の体は崖下へと大きく飛び出していった。






ケーーーーーッ!


オイテケーーーーーッ!




道の中程で留まっていた鳥達が動き出す。
二人の着地地点を狙ってその羽を大きく羽ばたかせた。






ダンッ!

一歩先に地面に降りたのはゾロの方だった。
難なく地面へと着地を決めそのまま出口へと走り始める。




ダダンッ!

続いて降りたのはサンジだ。
ゾロより少し離れた場所に着地を決める。
サンジの脚力の強さはゾロの着地地点より一メートルほど先になっていた。
着地した勢いを殺さずにサンジはスピードを上げて出口へと向かった。


ケーーーーーッ!!


二人の走る距離が開いた事で、2匹の鳥は行動を分断する羽目になった。
2匹同時に狙われたのであれば、苦戦もするが、一匹だけになれば
追い払うのも振りきりのも勝算がつく。


ケーーーッ!


サンジの元へと一匹の鳥が飛びかかってきた。
体勢を低くし、低空飛行でサンジの足を狙ってきているようだ。

「来たな・・・・クソ鳥!」

狙っている足を大きく旋回させ、サンジは鳥の頭を狙った。
そのまま鳥を地面に叩き付けようとしたのだ。
だが、鳥の方もその動きを見切ったのか。
サンジの足の動きに合わせて、体を急上昇させる。

「・・・・なっ・・・・!」

鳥のくちばしがサンジの喉元を狙っていた。
直接的に急所を狙い始めてきたのだ。
間一髪かわした鳥のくちばしがサンジの頬を抉る。
そのまま急上昇をし続け、鳥は遠くへと羽ばたいていった。

「随分とあっさりしてるじゃねぇか」

せっかく今までの借りを返してやろうと思ったのに・・・と、
舌打ちをひとつ鳴らしてサンジはそのまま出口を目指そうと走った。

だが・・・上空に羽ばたいたはずの鳥の動きが妙だ。
逃げる割には・・・何故方向を変える?

鳥の姿を追っていたサンジが驚愕した。
鳥が向かった先は・・・・ゾロの居る方向だ。

「あの野郎!」














ケーーーーーッ!


「クソッ・・・・しつけぇ鳥だ!」

道を走るゾロの上を鳥が何かを落としては何度も地面へと舞い戻る。
もう一度・・・。
鳥がゾロの上に何かを落とした。

「いて・・・・!・・・いい加減にしやがれ!
 そんな石っころを落としたぐらいで何になるってんだ!」

そう、鳥が落としていたのは、道に転がっている石ころだ。
それを口に銜えては、ゾロの頭の上に落としていたのだ。
払い除けるのも鬱陶しいと、ゾロは鬼徹を手に、
降ってくる石を何度となく切り落としていく。


ケーーーーーーッ


「また来やがったか、あの鳥め!」

鳥がまたゾロの頭上で石を投げ落とした。
だが・・・今度は少し様子が違うようだ。
落ちてくる石の落下に重たさを感じる。
ふと、上を見上げたゾロが目を見開いた。

「だーーーーっ!!んなでっけぇ石落とすんじゃねぇ!!」

降ってきたのは、直径50センチほどもある大きな石だ。
どうやってその石を銜えてきたのか、想像も出来ないが
目の前の石は今にもゾロの頭を直撃しようと落下している。
ゾロは慌てて手にある鬼徹を振り下ろした。
目の前で50センチもある石が真っ二つに割れる。
だが、割れた石の間からもう一つ大きな石が見えた。

「・・・・・なっ?!」

石を割る事に集中していたゾロは気が付かなかったのだ。
もう一匹の鳥が、時間差で自分の頭にもう一つ石を投げ落としていた事に。
振り下ろした鬼徹が間に合わない。
頭を直撃する!

クソッ!

ゾロは走る事を止めずに、腕を頭を覆った。
直撃が免れればなんとか前へ進めるはずだ。
覚悟を決めたゾロに石が降る。
だが、石が直撃する手前でゾロの体が大きく前へと飛びすさった。
道を滑る体を何とか抑え、ゾロは倒れ掛けた体を起こし背後を伺った。

「・・・・?!」

そこには、自分を蹴ったであろう、黒いスーツの男。

「・・・コック!」
「走れ!クソ剣士!」
「・・・何?!」
「てめぇの足じゃアイツらに追いつかれる。さっさと出口へ走れ!」
「この期に及んで勝手な事すんじゃねぇ、クソコック!
 おめぇ一人置いていけるか!」
「んな事言ってる場合じゃねぇんだよ!これは役割分担だ!
 てめぇの無駄にある体力で何とかあの出口が閉まるのを抑えろ!
 俺はあのクソ鳥を足止めする!」
「ああ?!」
「・・・・後、1分しかねぇんだ!さっさと行けっ!!」
「チッ・・・・」

叫ぶサンジに背中を押されるようにゾロは出口へと向かった。
サンジが言うように残り時間は僅かのようだ。
さっきまで大きく開いていた島への出口が徐々に閉まり掛けている。
分厚い雲が、出口を塞ぎ始め、左右に分かれていた風が中心へと移動している。
水位までもが上がり始め、道を徐々に狭めていた。

クソッ!
あれをどうやって止めろってんだ!



ケーーーーーッ!!


出口へ向かったゾロに気が付いたのか、一匹の鳥がゾロを追いかける。
それに気づいたサンジが、ゾロを追う鳥を追いかけた。
上空から追いかけられては手が出せない。
サンジは道に転がる小さい石を拾い上げ、それを軽く空へと放り投げる。
そのまま落下する石をゾロを追う鳥へと大きく蹴りつけた。

ガツン!
鋭い軌道にのって、石が、ゾロを追う鳥の頭に命中した。

ケーーーーーーーー・・・・・。

「ざまぁみろ!」

クルクルと螺旋を描きながら鳥が落下した。
その様を見て、慌てて逃げだそうとしたもう一匹の鳥にも同じように石を蹴りつける。

ガツン!
大きな音をたてて、石が鳥の頭へと命中した。

ケーーーーーー・・・・。

「へっ!借りは返したぜ、クソ鳥!」

道ばたに倒れる鳥の側に、ジッポーが転がっていた。
サンジにとられまいとしっかりと鳥の腹の中に仕舞われていたジッポーは
蹴りつけた石が当たったショックで吐き出されたようだ。

「悪ぃな、ジッポーも確かに返してもらったぜ」

ジッポーを拾い、サンジもゾロに続いて出口へと向かった。
時計の針は、すでに4分経過を示している。
出口が閉まるまで、後少しだ。
時間がない。

「コック!早く来い!」

ゾロの声。
一足先に着いたゾロが出口の間でサンジを待っていた。
閉まり掛けている出口を何とか両手で押さえてみようと試みつつ、
質量のない扉に悪戦苦闘しているようだ。
ただ・・・何か大きな力で扉が閉ざされようとしているのは確からしい。
押さえるゾロの力に閉じようとする扉が、少しではあるがその動きを緩慢にしていた。

「さっさと来い!これ以上止める事なんざ無理だ!!」
「判ってる!ちょっと待ちやがれ!」

もうすぐだ・・・と言いかけたサンジの頭上に怪しい影が浮かんだ。
それは猛スピードで空を駆け、出口へ向かうサンジを狙っているようだった。

「コック!!危ねぇ!」

いち早く気が付いたゾロが叫ぶ。
だが、それよりも先にその影がサンジへと追いついた。

「な?!・・・クソ鳥?!」

仕留めたと思っていたはずの鳥が、
走るサンジの背中を狙って急降下してきたのだ。
間一髪、体を翻しサンジはその鳥の攻撃をかわした。
だが、その動きを見越してか、もう一匹の鳥がサンジの胸を狙って
斜めに、急降下を始めていた。

「てめ!・・・・っ・・・ぐあっ!」

サンジの体目掛けて突きだされたくちばしは、
その胸を大きく横に切り裂いた。
反動で傾く体を最初の攻撃をかわされた鳥が再度サンジを狙う。

「・・・・ぐわっ・・・・ぐぅぅ・・・・!」

狙われたのは、サンジの足だった。
足止めするには一番効率のいい場所を狙ってきたのだ。
鋭いくちばしが、サンジの太股を引き裂き、
そして、もう一つのくちばしが、ふくらはぎに容赦ない穴を開ける。
二つの攻撃に、サンジの体が地面へと沈んだ。

「コック!!」

出口を押さえていたゾロが、思わず前へと乗り出した。
その途端、出口が力強くその扉を閉ざそうとする。
慌てたゾロがまた必死に扉を押さえる。

目の前で仲間が倒れていると言うのに・・・!
後、数メートルで・・・出口だと言うのに・・・!
助ける事も、手を貸す事も出来ないなんて!
・・・時間が刻々と迫ってきている。
島の出口が完全に閉まるまで・・・・もう時間がない!

クソッ・・・どうすりゃいい!どうすりゃ・・・・!

「・・・・ゾ・・・ロ・・・・!」

扉を押さえるゾロの耳に、サンジの掠れた声が届いた。
鳥達は、倒れたサンジの体をその場に押さえつけようと
何度も何度も急降下を繰り返し、皮膚を割いていく。
血が滲む無数の傷がサンジの体に見えた。
直接命は取れなくても、この島に取り残そう、この島に留めようと必死になっているのだ。

「何だ?コック!」
「・・・・俺が・・・・合図したら・・・・・手を・・・・・・伸ばせ・・・」
「手を・・・・?」

一体・・・どういう意味だ・・・?
この距離じゃ手を伸ばしたって届くはずが・・・。
躊躇するゾロにサンジは叫ぶ。

「・・・俺を・・・信じろ・・・!」
「・・・コック・・・」
「俺は・・・・運がいいん・・・だ・・・必ず・・・てめぇの・・・手を・・・取る!
 手・・・掴んだら・・・思いっきり・・・俺の体を引け・・・!」

その目の奧にはいつもと変わらない強さがあった。
どんな時でも折れない、屈しない・・・まっすぐな強さ。

「・・・・・・・判った。おめぇを信じる・・・」

残り10秒になった。
右腕の時計の針が一秒ごとに大きく時を刻む。

すでに手中に入ったと思ったのか、
鳥達が同時にサンジの体から離れた。

いや・・・違う。

最後のトドメを刺そうと、
2匹同時にサンジの体に攻撃を仕掛けようとしているのだ。
確実にサンジを動けなくしようと。
目の前で島の扉が閉まる瞬間を拝ませようと。


ケーーーーーーッ!!
オイテケーーーーーーッ!!


一層大きく鳴き叫んで、2匹が空中でサンジに狙いを着ける。
その羽を小さく畳み、くちばしを下に向け、一気に急降下を始めた。

「へっ・・・・てめぇらの・・・考える事は大体判るっつーの・・・・」

サンジはポケットに入れていた手を急降下する鳥達の前へと差し出した。
その手の中には、ウソップお手製のウソップボンバーが握られていた。
出発前、ウソップはゾロと一緒にサンジにも同じモノを渡していたのだ。

鳥達に攻撃され、地面に倒された時からしきりに揉みほぐしていたウソップボンバー。
サンジの手の中でジリジリとその熱を放散させていた。

「食らえ、クソ鳥!約束通り・・・・バーベキューになっちまえ!!」

残り5秒!
急降下する鳥に向かってサンジはウソップボンバーを投げつけた。
止まる事が出来ずに鳥達はサンジの投げつけたウソップボンバーへと飛び込んでいく。

急降下する鳥のくちばしと、ウソップボンバーが接触した。

途端・・・!


ドゴーーーーーーーーーーン!!


大きな爆発が空中で鳴り響く。
それと同時に爆風が辺り一面に吹き荒れた。

「コック!!」

巻き上がる砂埃でサンジの姿が一瞬見えなくなる。
ゾロは目を細め何とか前を見据えた。
砂埃の向こうに一つの影が自分に向かってくるのが見えた。

「何処だ、ゾロ?!手ぇ出せ!!」
「コック!こっちだ!!」

勢いのある風がサンジの背中を押し、残りの距離を縮めた。
サンジの手がゾロへと伸ばされる。
ゾロも扉に手を掛けながら、体を大きく伸ばしもう一方の手をサンジへと差し出した。

指先が僅かに触れる。
だが、その指に触れながらも二人の手は空を切った。
水位の上がった海水がサンジの足を容赦なく捉える。
サンジの体が大きく地面に倒れ込んだ。
切り裂かれた足に力が入らない。

「クソッ・・・」
「あきらめるな!コック!もう一度手ぇ伸ばせ!」
「・・・・!」
「俺を信じろ!必ずおめぇの手を掴む!」
「・・・チッ」

最後の力を振り絞って、サンジは地面を蹴った。
もう一度ゾロへと伸ばされたサンジの手。
・・・・ゾロはしっかりとその手を握り、力一杯自分の元へとたぐり寄せた。



残り1秒。





二人の体が・・・・勢いのまま島の外へと投げ出される。








ガッ・・・・・コーーーーーーーーーーン・・・・・・。







無機質な音をたてながら、島の出口は塞がれていった。
その出口を厚い雲が覆い隠し、吹き荒れる風が幾重にも壁を作っていく。
水位が元に戻った。
周辺の海が・・・・来た時と同じように荒れ始める。












「ぶはっ・・・・・」

島の外は、先ほどの浅瀬が信じられないほどに深い海へと変わっていた。
何とか抜け出した二人は、島を守る大きな波に揺られる。

「・・・・・・・とんでもねぇ島だったな」
「最後ぐらい・・・気前よく出せってんだ・・・・。
 出たら出たで・・・海ン中なんざ・・・・冗談じゃねぇ・・・・」

そうもいかねぇんだろうけどよ・・・と、サンジは厚い雲が覆い隠す島をもう一度眺めた。
雲が割れるその隙間からウソップボンバーで吹き飛んだはずの鳥が、
自分たちを恨めしそうに見つめながら何度も、何度も出口周辺を飛んでいる姿が見える。

「あの鳥・・・・死なねぇんだな・・・」

サンジがボソリと呟いた。
今更あの鳥にどんな驚く秘密があったとしても
今までの経緯を考えると、不思議と納得できてしまう。

結局あの鳥達は、島の番人であり、島の一部でしかなかったのだろう。
自分の意志では、死ぬ事も生きる事も出来ず、
使命のまま、島に訪れた人間の心を揺さぶり、
魂を奪い、代わりにログを与えていたのだ。


そして・・・・無事にこの島から脱出できモノが居た時には・・・・・・・。


「あ・・・・?」

島の中心から・・・一筋の煙が立ちのぼっているのが見えた。
自分たちを眺めていた鳥達が、慌てて煙が立ちのぼる森の中央へと飛んでいく。

「・・・・山火事か?」
「・・・いや・・・違うだろ・・・」
「・・・何でそう思う・・・・」
「・・・俺達以外に・・・火ぃ使うヤツなんか居ねぇだろ・・・。あれはきっと・・・・」

あれはきっと・・・・俺達へログを与えた代価なんだろうよ。
ゾロはそう言って、飛んでいった鳥達をずっと眺めていた。






ここからは推測の域を出ないが・・・・

あの鳥達が必死になって、自分たちの命を狙っていたのは・・・。
命を取れなければ・・・自分たちの大事な島の命が削られるのを怖れていたのだろう。

あの島は人の命と引き替えにログを渡す。
逆を考えれば・・・・代価となる人の命が取れなかった場合、
ログは島の命の一部と引き替えに渡す事になる。


結局・・・俺達も・・・あの鳥達も・・・
自分たちの大事なものを守るために、生きようと藻掻いていたのは同じなのかも知れない・・・・。





「早いとこ、船に戻ろうぜ」
「そうだな・・・こんな所に長居は無用だ・・・」

太陽が昇り始めた日差しの向こうに船の影が見えた。
船の中からは大きく手を振るナミの姿が見える。

「サンジく〜ん!ゾ〜ロ〜!」


「わーーーーっ!わーーーーーっ!!
 ナミすわぁ〜〜〜ん!ナミすわぁ〜〜〜〜んvvvv
 寂しかったよぉ〜〜〜!恋しかったよぉ〜〜〜!!
 あなたのスィートダーリンはここだよぉ〜〜〜vvvvvv」
「っ・・・てめ!クソコック!!俺の頭に手ぇ掛けるな!!!」
「んだよ!少しぐれぇいいじゃねぇか!
 ナミさんにしっかりと手を振り返すには支えが必要なんだよ!」
「だからって、俺を浮き袋代わりにするんじゃねぇ!」
「ったく、気が短ぇな、クソ剣士の野郎はよ!あ・・・てめぇもしかして・・・!」
「・・・んだよ・・・!」

ゾロの頭の上からジーッ見下ろすサンジはニタッと嫌な笑みを浮かべた。

「・・・もしかして・・・・」
「・・・・んだ?・・・?」
「もしかして・・・・俺の格好良さに・・・嫉妬してる?」

はぁ???
眉間に皺を寄せてゾロはサンジを見上げた。
 
「だってよ、だってよ!俺ってば、この島じゃすんげぇカッコ良かったじゃねぇかよ!
 なんかいつでも何処でも決まりまくってたしよ!
 あ、そうそう!てめぇの危機を何度となく救ってやったのも俺様だしよー!!」

やっぱ、俺って一番カッコイイんじゃねぇ!
キラリンと、顎に手をあてて決めポーズを付けるサンジ。
そのサンジに一つため息を吐いて・・・・
ゾロはサンジを思いっきり海の中へと放り投げた。

「ぐわ・・・がばばばばばっ!てめ・・・いきなり・・・何すんだ・・・ぐあ!」
「少しは海水を飲んで、脳みそ活性化させろ!バカコックが!」
「んだと・・・てめぇのしみったれた活躍を
 俺が全部フォローしてやったんじゃねぇか!ありがたく思え!」
「うるせぇ!誰が死にかけたてめぇを助けたと思ってんだ!
 それ以上うるせぇ口叩くと、ここに本気で沈めるぞ!」
「んだと?!ふざけんじゃねぇ!逆に俺がてめぇを沈めてやる!!」
「がばっ・・・!ぐあ・・・クソコック!!沈めるな!」
「ぐおっ・・!てめぇこそ・・・・足引っ張るんじゃぇ・・・ぐがごぼぼっ!」






すぐ近くまで来ていたGM号に気づく様子もなく、
海の中で果てしない攻防を続けていた二人。



島を出てからもやる事は一つのようで。
彼らの関係に、タイムリミットは存在しないようだ。







FIN







みなみ様より頂きましたvサン誕DLF小説ですv

次々と2人に迫る展開にハラハラドキドキしっぱなしでした!
喧嘩ばっかで、文句を言って・・・でも、心の奥では相手を信じてるゾロとサンジv

一生懸命人工呼吸してるゾロにキュンとなってみたりもしましたがv(きゃっv)
サンジが土砂に埋れたゾロを素手で掘り返そうとしているシーンでは
切なくて涙が出ました・・・
指がボロボロになり土が血に染まっても、諦めないでゾロを探し続けるサンジ・・・
あ〜もぅ後ろからギュッて抱き締めたいですぅぅぅ(><)

ラストの脱出シーンも最後の最後まで魅せられました!
どんな状況に陥っても諦めず、前に進み続ける!そんなゾロとサンジが大好きです!!!


えっと、今回AAA様企画対象作品ということでうちのゾロに口説かせて頂きました(*^^*)
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<うちのゾロの口説き文句>

「俺をかばって勝手に死にかけてんじゃねぇ!
息をしてないてめぇを見た時は・・・心臓が張り裂けるかと思ったぞ」

「手だっていつのまにかボロボロじゃねぇか」

(血塗れのサンジの手を取り、指先に口付けるゾロ)

「俺の知らねぇとこで、勝手にくたばれねぇように見張っててやる」

「だから・・・俺の傍を離れんな・・・・・・」


<みなみ様のサンジのお返事>

「別に・・・助けてくれなんて頼んだ覚えもねぇし、
 心配してくれとも・・・頼んでねぇ。
 俺が何処でくたばろうと俺の勝手だ。
 だが・・・てめぇが俺の側にいるのはてめぇの勝手だろ。
 だから・・・俺から離れんなよ、クソ剣豪」

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あぁサンジv
いつでも対等で、いつでも強気で、でもちゃんとゾロの事を考えてるv
そんなサンジが大好きですvvv


転載OKのお返事は早い時期に頂いていたのにアップするのが遅くて申し訳ありませんでした。

みなみ様!敬愛しておりますvてか、大好きですvvv
今回、みなみ様の素敵なサン誕小説を転載させて頂けて本当に嬉しいですv
ありがとうございました!

2004.03.31



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