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「クソ気に喰わねェ……っあの筋肉ダルマ!」
 
 
 
 
日常の乱闘に飽きた午後。
 
 
憤った感情を言葉にした瞬間
それまで疑問に思っていた全ての謎が一つになった。
 
 
 
 
 
無意識に目が追う筋肉質な体のライン
ぴりぴりとした空気を孕んだ凶悪な目線……
 
 
 
 
 
吐き捨てられるように紡がれる言葉と、決して怯まない褐色の瞳
蹴りを食らわない軽い身のこなしにさえ無意味な苛立ちを禁じ得ず
俺は何時も悶々として……
 
 
 
 
 
 
 
 
俺だけが焦っていた。
俺だけが何時も。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だからその腹癒せに……何時かてめェを喰らってやろうと思ってた。
俺の足下に跪き懇願の言葉をその口から零させてやると。
 
 
 
 
 
それが恋心だったなんて……
そのチャンスがこんなに早く訪れるなんて
……思いも寄らない事だったけどな
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
島を出る前一言だけ会話を交わした。
 
「頼んだぞ」と俺は言い、「おう」とヤツが答えただけの。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ざわめく町は島の中央……誰一人注意を払わないくらい短い会話。
内に含まれた陰湿な感情は……俺自身しか知りうる術はないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ONE=DASH特製 ゾロ誕物語 SIDE / SANJI
 
             【 剣士を手に入れる最強の方法 】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
普段フェミニストを気取ってる俺がアイツに恋してちゃマズいだろ。
夜な夜な剣士の、強い腕に抱かれる自分を想像して自慰に耽ってるなんて
恋心を知られちゃマズいのと同じくれェ超マズい。
 
 
 
けどな、
 
 
 
男と女だけが愛を育めるなんて間違った感情は夢物語。
海賊が横行し海軍さえもご乱交遊ばすこのご時世、連れ添うパートナーは
強いに越した事がねェ……勿論レディは大好きだが鑑賞用だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
図らずしも同じ船に乗ることになった。
強さも本物なら心意気も上等、最高の男が目前に居て……
それをみすみす人の手に渡すほど俺ァ世間知らずじゃないモンで。
 
 
けどまるっきりノン気そうな剣士が容易にノって来るとは思えない。
無鉄砲な賭けに出て痛い目合うのもご勘弁だ。
 
 
 
 
一番良いのはヤツが俺に惚れる事。
それも多少の波風じゃ揺らぎもしねェくらい強力に。
 
 
 
俺は恥をかくことも自尊心を失う事も無く欲しいモノを手に入れるって寸法だ。
その為に費やした努力の日々を……今更無かった事になんか出来やしねェ。
 
 
 
 
 
涙ぐましい努力だったぜ。
ガキを装って喧嘩売って、何かって言やァ突っかかって。
アイツに俺の「存在」を認めさせるまで随分苦労したモンだ。
 
 
お陰で最近は妙に……熱の籠もった視線で俺を見るようになってきた。
もう一押しすれば剣士は完全に、俺の手中に収まって……
多分一生逃げられねェ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
買い出した食材を取りに行ってくれ、と言う頼み事に一瞬眉をひそめたな。
普段なら間違ってもこの俺が……てめェに頼み事するなんて有り得ねェ事だ。
 
 
不承不承ながらも鉄アレイを置き、鍛錬フェチな筋肉剣士は船を下りる。
不気味な程自分の方向音痴に無頓着なクソ野郎が迷子になるのも時間の問題。
上陸した島で離散した仲間の行く先はほぼ掴めてっからニアミスする心配もねェ
 
 
 
 
俺は剣士の後ろ姿を見送りながら煙草に火を付け
きな臭い煙を肺一杯に送って逸る気持ちを和らげた。
 
 
 
 
 
 
 
姿が見えなくなると同時に動き出さなきゃ何処行っちまうか判らねー。
手渡した地図を全く無視して闇雲に歩く男の背中、気配を感じさせないよう
無意識を装い……尾行を続ける。
 
いやもし感づかれていたとしても問題ねェ。
なぜならこれは、俺の存在をより深くアイツに埋め込む事に意義があるから。
 
そんな安心感を抱いているからか……剣士は一度も振り返る事無く
多分「北」へ向かうつもりで急な岩場を登りだした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「真っ直ぐ」が何で「北」を示すのかなんて……
方向音痴の奏でるノクターンに興味はねェ。
 
案の定八百屋とは全く別の方角に歩を進めるアホ剣士の後を尾行しながら
俺は八百屋に預けておいた特製ケーキの行く末を思った。
 
 
大方こんな事になるだろうと予測はしていたが、あまりにも予測通りだと
多少意気消沈するのも仕方ねェだろ?
 
保険かけといた別の奴らに、惜しげも無く食われちまうだろう
特製ケーキに謝りながら……俺はゾロに続いて険しい崖を登り切った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
切り立った崖の上は広大な草原が広がっていた。
何処までも続く緑の絨毯……その向こうには大海原が垣間見え
もうじき海へ還る太陽が、この日最後の宴を開き……燃え上がっている。
 
 
 
 
 
傾き掛けた太陽は大きな陽炎を海に描き、青と赤……緑そして
輝かしい黄金色を空一杯に描いて楽しそうだ。
 
 
 
 
いやお日様とたむわれてる場合じゃねえ。
 
 
 
 
 
 
 
 
俺の剣士は何処に行った? 
サンセットに見惚れてすっかり見失っちまったみてェだ。
 
 
俺は非道く焦って……不覚にも、躊躇も無く草むら中央まで小走った。
 
 
 
 
 
 
「ゴムゴムの!」
「ァ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
視界の端に、草原に投げ捨てられた見慣れた布を見た気がしたんだよ。
黒地にな、まあるい模様が入った短いスカート……
 
 
 
 
でもな、俺ァそこまでまだ随分距離があったし
てめェらの邪魔しに来たとかそんなつもりは全くねェのに。
 
 
 
だからちょっと待て、と言おうとしたが。
 
 
草原の中に沈む赤い服と、その背中に回された麗しい脚の悩ましさ。
そいつにちょっーと目を奪われて不覚にも……
俺は語尾が白けたルフィのパンチを、結構まともに食らっちまった。
 
 
 
 
 
 
 
「呑気にアオカンしてんじゃねェえええ!」
 
 
 
 
 
 
 
俺の抗議は麗しいお耳に届いたかいレディ? 
……あの絡まりようじゃァ正気を保ってたかどうか定かじゃねェな。
 
 
 
 
俺は自分の不運さを呪いながら、崖下へと落下中。
途中煙草に火を付けて一服ふかした瞬間横からはみ出してた大木にぶち当たり
お気に入りのライターが空中高く舞い上がっちまった。
 
 
 
 
 
背骨に当たった所為で呼吸困難。あァマジついてねェ……
俺の剣士どころの騒ぎじゃねーな……俺は結局、滑落しながら
あっちこっちに引っかかって……何とか生きたまま奈落の底に辿りついた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
辿り着いたはイイが……体中痛くて泣けて来そうだ。
上着は枯れ木に持って行かれちまったしシャツの袖も片方抜けた。
 
頬にだら、っと流れて来た血に夕日を思い、俺はこのまま夜が来たら
ケモノ共の美味しいご飯にされちまうんじゃねェかと切なくなった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「クソ……」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そう呻いたのが何時の事なのか記憶にねェ。
俺ァ何回もそればっかり呟いて、何とか体を起こそうと踏ん張ってた。
 
 
 
だからいきなり頭の上で「何やってんだお前……」と有難くもねェ
声が聞こえた瞬間マジびびった。普段気が付かねェクセに何でこんな時
ばっか……てめェは察知しやがるんだよ。
 
 
 
 
 
 
 
遠慮無くぐわ、っと体を起こされて激痛が走り、俺は思わず顔をしかめた。
崖の上から来た剣士……てっきり馬鹿にされるんだと思ってたら
意外にも奴は慌てた風に、俺を担ぎ上げすぐ傍にあったらしい
農家に向かって歩き出した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
空には満月。
のし掛かってきそうなほど大きい光。
 
 
 
潮の満ち引きまでをも左右する引力が……俺とお前を導いたのか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
多量の出血に祟られて、俺ァすっかりポエマーだぜ。
力が入らねェ俺の体を横抱きに、ざくざくと歩くゾロを下から見上げてたら
さっきまで感じてた切なさがすっかり消え……
 
 
俺はゾロに運ばれながら、いつの間にか……大きな安堵を感じていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「草むらに何か居てよ……邪魔すんなって殴られた。お陰で崖から真っ逆さまだ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
小屋に運ばれ応急処置を施された辺りで俺は、何だが阿呆っぽい状況に
自分で恥ずかしくなっちまって……そんな言い訳を呟いてみた。
 
 
 
 
 
 
ゾロは何も答えない。
どうせくだらねェ言い訳してやがるとでも思ってんだろ。
詳しくなんか言ってやんねーよ……ナミさんのコケンに関わるからな。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゾロは黙々と止血作業を進めている。
何で俺がこんな事を……ってェ態度が見え見えで
俺はクソ迷惑かけてすみませんねェ、と軽口を叩いた。
 
 
 
 
 
 
だが無言……何か怒ってんのかコイツァ。
 
 
 
 
 
痛そうだな、とか痛ェか? とか痛くないか、とか言えねェのか。
あァどれも一緒だな悪かった。思いやりってモンが欲しい年頃なんだよクソ。
 
 
 
 
 
 
 
ゾロはさっきから俺を見ない。
いや見ねェのはいつもの事だがこんな時にまで闘争意識……
むき出さなくてもイイじゃねーか。
 
 
 
 
 
どっかでこの陰気な雰囲気を打開して……何とか少しでも
会話が出来る状況に持って行きたいのが人情ってモンだろ?
 
俺だってな……自分に自信はあっけど所詮男だ。
てめェに拒否されんのは正直辛ェ……怪我の所為で気弱になってる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺は本来の自分を取り戻す為深呼吸し、目を瞑って気を落ち着かせてから
ゾロに向かって呟いた。
 
 
 
 
 
 
「その……、世話になったな」
 
 
 
 
 
 
 
返事は無い。クソ無視かよ、と思って目を上げたら
ゾロは戸口から外に出て行く所だった。人の話は最後まで聞け!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
せっかく歩み寄ってやったのにこのクソ剣士、と怒鳴ろうとしたが
もしかしてあいつ、自分の役目は終わったって……
一人で船に……戻るつもりじゃねェだろうな!
 
 
 
 
 
 
 
俺はマジ慌てた。いや普段なら絶対こんな事で慌てたりしねェ。
だけど明日は……明日は奴の誕生日なのに、俺ァこんな所で担架待ちかよ!
 
 
 
 
 
 
 
 
置いて行かれてたまるか、と立ち上がった途端脚が崩れ
土間にひっくり返った自分が惨めで泣けて来た。
 
だが泣いてる場合じゃねェ早く止めないと……って意気込んで
腕を添える事でようやく動いた脚を庇いながら、
俺は何とか入り口まで辿り着いた。
 
 
 
 
 
 
 
表にゾロが居た。月の光に照らされた魔獣は何時になく精悍で……
腰に下げた三本の刀と対になったシルエットが、俺のハートをまた滾らせる。
 
 
 
 
 
 
 
だけど俺はどうにも癪に触って仕方ねェから……
振り向いて「寝てろ」と言ったゾロに、見当はずれの愚痴を零した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「八百屋に預けといたケーキ……無駄になっちまったな」
「あ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
素っ頓狂な声出してんじゃねーよ。てめェの事だ、どうせ
「何で八百屋にケーキなんぞ置いてあんだ?」みてェな疑問
抱きまくってるに決まってる。
 
 
 
 
 
 
 
俺は的はずれな自分に嘲りを込めて「へっ」と吐き捨て
いいよもうてめェは何処へでも行け、みてェな覚悟をして中に戻った。
 
 
 
 
 
 
 
焚き火の前に座った途端……ゾロが軒を潜って入って来た。
俺の心臓は不覚にも、どきんと高鳴ってそれからずっと躍動しっ放しだ。
 
 
俺の向かいに座り込んだゾロは暫く俺を眺めてて……
妙な空気に焦った俺は、焚き火にひたすら木をくべて
何か間が持てなくって……木の枝で焚き火をこねくり回した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「人生ままならねェなー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
思い通りにならないから楽しい人生なんだろうが
今の俺にとっちゃつまらねェことこの上無い。
 
 
 
何しろ一年越しの計画がポシャっちまったんだぜ?
去年のコイツの誕生日……知らなかった自分が悔しくてよ、
俺に今以上興味を持たせる絶好のチャンスだと思って頑張ったのに。
 
 
 
 
ケーキだってな、特注のラム酒を使って仕上げた極上品なんだぜ?
料理だって仕込んで来た……尾行したのだって作戦のウチだ。
 
 
 
八百屋でケーキを受け取った瞬間「おめでとう」って言いたかった……
それだけなのにクソ野郎。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
何とも言えない気分に落ち込んだ俺は、そんな事を考えながら
無心で焚き火を弄ってた。
 
 
 
そしたらゾロが……不意に、飛んでもねェ事を呟きやがった!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「一人でイっちまってんじゃねえよ……てめェ一人の体じゃねェんだぞ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺一人の体じゃ無かったら一体誰のカラダなんですか(汗)
つか一人でイくって一体何処へ(滝汗)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
呆気に取られた俺をゾロは暫く睨んでたが、弁解する訳でも無く顔を背けた。
コイツは何時だってそうだ……言いたい事の半分も言わねェで
俺ァそんな言動に何時も期待して裏切られて……結局何がしてェんだよ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いやそれは多分……コックって言う職業柄、俺に何かあったら
船のみんなに迷惑がかかるから……ってそう言う意味だ。
 
 
 
 
 
 
 
コイツは何時も……一番年上な面して全体をしっかり掴んでる。
 
 
 
 
 
 
 
「俺のカラダは俺のモンだ……どうしようと俺の勝手だろ」
 
 
 
 
 
 
 
 
ようやく口に出せたのはそんな台詞……折角こんな状況なのに。
やっと俺の色香を認めさせるチャンスが来たって言うのによ……
 
 
 
 
 
 
俺はまた切なくなっちまって。
いや切ないどころか悪寒まで感じてきちまった。
 
 
 
喉の奥から妙な感覚が滲み出て、頭の芯がイカれたように……
体がふわふわした覚束ない感覚。
 
 
立ちっ放しだったバラティエ時代、慣れねェ内味わった、強い目眩に襲われて。
頭を支えてんのすら辛くなって……気持ちが悪い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
駄目だこのままじゃ倒れる、と思った瞬間、伸びて来た指で
思いっきり……デコの中央を弾かれた。
 
 
 
 
 
 
「て! 何だよいきなり!」
「別に……。ちょっと愛嬌感じただけだ」
「あァっ?」
「寒ィんならこれでも被ってろ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そう言うなりクソ剣士は、どっからか持ってきたこ汚ェ毛布を投げて寄越した。
つか臭ェ……しかも湿気を吸ってねとねとしてる。
 
 
 
 
こんなモンプリンスたる俺が被れるか! と思ったが、
体が勝手に毛布を引き寄せ……俺は両手を覆って寒さに耐えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あァ多少あったけェ……と思った瞬間背後から
ゾロが俺に覆い被さって……後ろから強く抱き寄せやがった!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「な、何だ」
「俺ァ体温高ェからな……湯たんぽ代わりに抱きしめてろ」
「だ! 誰がてめェみてェなムサい野郎………っっ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺は不本意ながら抵抗したが、奴はぎっちり抱き込んで離れない。
ぞくぞくとした悪寒が止まらなかった背中にほんわりと……
高めの体温が伝わって来て、俺の体から力が抜けた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
何でもう少し突っ張れねェかな……
こんな所で甘えたら……ナメられるに決まってる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「何で後を付けて来た?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
力が抜けるのを待ってたように……当たり前の疑問が届く。
ココで威嚇射撃の一つでも食らわせとかねーと後がねェだろ?
 
だから俺は精一杯強がって……低い声で答えを出した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「てめェを喰おうと思ってよ……後を尾けた」
「へー……そいつァ驚きだな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
何だそのまったりした返答は。
俺はちょい出し抜かれた感覚を抱き、ゾロの動向を探ったが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「てめえ……最初から俺に惚れてんだろ」
「…………」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
クソ剣士の奴……俺の耳元にわざわざ寄せて、そんな事を呟きやがった!
 
 
一瞬狼狽えて言葉が出ない……まるでそうだと言ってるように。
アホか俺ァ、こんな所で出し抜かれてどうすんだ、と自分を叱責しながら
何とか立場を保てる状況に取り繕おうと必死に奇策を練ってみたが
 
 
 
 
無駄だった。だって耳元で……さっきよりずっと近くでゾロの奴……
「見てて飽きねえよ……てめえは」なんて事を囁きやがったから。
 
 
 
 
おまけにその後犬みてェに鼻を鳴らして俺の匂いを嗅ぎまくってる!
ちょっと待ておい、夕べ仕込みが忙しくって……頭洗ってねェんだよ!
 
 
 
 
 
 
 
 
「くすぐってェから止めろ」
 
 
 
 
 
 
 
やっとそれだけ言えたけど……声が無茶苦茶震えてる。
乙女じゃねーんだから俺、しっかりしろ俺! そりゃ今まで俺が
レディ口説く時使った手だろ!
 
 
 
 
自分突っ込みを入れながら思わず出した結論だった。
ゾロはどういう訳か男の俺を……口説き初めてるとみて間違いない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ノン気じゃなかったのかコイツは?
つかまずいだろこんな……取り立ててヤる事もねェ状況で
なし崩しに関係持つなんて長続きする方法じゃねェ!
 
 
 
 
情けない事に上ずった声で、俺は背後の剣士に抗議した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「……何がしてェんだよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
べろりと首を舐められて竦む体……歓迎してる。
嫌じゃねェ嫌な訳ねェこいつとなら……海の果てまで共に行けると
俺が自ら見込んだ男だ。……ジジイだって「あいつァ骨がある」って
言ってたしな、いや骨なら誰にだってあるだろタコじゃねーんだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
「わ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
色んな事をぐるぐる考えてたら、不意に背中を押されて俺は前につんのめった。
じわりと肌をまさぐって来た手の体温に狙撃された下半身……
じゅん、と熱くなったペニスの先端……ちょっと待て俺ァ何されてんだ!
 
 
 
 
そんなんじゃねェヤりてェのは山々だけど
俺ァもっとてめェに俺の重要さを知らしめてから……
 
 
 
 
ってじたばたしてる内に腕を取られ、体をキツく捻った状態のまま
俺はゾロに貪られた。
 
 
 
 
 
 
唇にゾロが居る。
まるでコーンの中に詰まったアイスを舐め取るように下を尖らせ
俺の口内を浸食する……クソ、巧い。
 
 
 
 
背中にあった悪寒は今じゃァもう別のぞくぞくに変わってた。
空いた片方の手は躊躇も無く俺の股間に伸びて来て……
 
 
 
あァ……触れた瞬間勃起してんのを見破られた……世も末だ。
 
 
 
 
 
 
悪ィなてめェみてーな筋肉質に欲情してて。
すまねェなこんなに汁流してて……自分じゃもう、制御出来ない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゾロが、……ロロノア・ゾロが俺を抱いて
俺のカラダを舐め回してる図ってどうよ……興奮しねェか?
 
 
 
 
 
 
 
六千万ベリーの賞金首だ。
俺が選んだ最高の……男。
 
 
 
 
 
 
 
 
過ぎる者さえ道を開ける、未来の大剣豪が俺のペニスを握って扱いて……
声を出せと耳元で呻く。
 
押さえ込まれた脚に当たるゾロのペニスも高ぶって
凄ェ熱い……クソ、俺よりデカい。
 
 
 
 
 
 
 
 
でも駄目だこんな状況でヤっちまったら
俺の値段が下がっちまうだろボケ野郎!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
俺はもういっぱいいっぱいな自分を奮い立たせ、ゾロに向かって否を示した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「無理すんな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
返って来たのはそんな言葉。あー悪かった無理してた……
じゃなくてこんなセックス俺ァ認めねーぞ、と思わず怒鳴ったら
思いがけなく深いテノールが
 
 
 
 
 
 
 
 
「心配すんな……大事にする」
 
 
 
 
 
 
 
 
なんて言葉を囁いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それからはあれよあれよと言う間に服を全部脱がされて
魔獣剥き出しの血走った目で、ゾロは裸の俺を冷てェ床に押しつけた。
 
 
 
 
 
 
「見せろ……全部だ」
 
 
 
 
 
 
怪我してんのに容赦ねェ……俺の両足を自分の脚でがっちり踏んどいて
両手をがば、と開かされたモノだから。
 
 
恥ずかしい事に可哀想な俺ァ、全裸を余す所無く広げられ
それから暫くの間ゾロの視姦に追いつめられた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はあはあと呼吸が荒い。火が弾ける音さえかき消されるように。
コイツ欲情してやがる……とニヤけた俺も息が荒い。
 
 
 
燃えたぎる炎を目に宿したゾロは今まで見たどんな場面より
魅惑的で……雄々しかったぜ? 
 
 
例えばコイツが百人娼婦を抱いたって……こんな目で交尾を挑めるのは
相手が俺でないと成立しねェ。
 
 
 
 
だから俺は特別なんだ。
 
 
 
……てめェの加減のねェ滾り全部受け止めてやれるのは俺しか居ない。
判ってんならもう少し……優しい所も見せやがれ。
 
 
 
 
 
 
 
俺がそう言うと大袈裟なほど頷いて……ゾロは引きつった顔で
「努力する」と唸るように言い放った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ひっ……ぐ!」
 
 
 
 
 
 
馬鹿野郎何が「努力する」だ半端じゃねェ痛さだぞ!
突っ込まれる方の身にもなってみやがれてめェのちんこはデカすぎだっ!
 
 
 
 
 
 
 
 
「駄目だまだ……俺ァ聞いてねェぞ…っ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そうだ聞いてねェ……一番肝心な事を何も。
ソレを聞かなきゃ納得できねェ……勿論聞かなくったってこの先
てめェを逃がしたりしねェけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
しつこく追いかけて来るペニスをしつこくかわし、
俺は俺自身が納得する為の言葉を要求し、その構えを崩さない。
 
 
 
「ココまで来て今更無かった事に出来るかよ! 観念して脚開け!」
 
 
 
 
 
そんな甘ェ事言ってて大剣豪になれっかよ!
俺は締め上げたゾロの首に力を込め、敵船に向かう迫力で言い放った。
 
 
 
 
 
 
「冗談じゃねェ、使い回されるなんざ真っ平ご免だ! ……ヤりたきゃ俺を
 ちゃんと納得させてからにしねェと……この使えねェ首へし折るぞ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いやお互い首根っこ捕まえてっから、実は双方窒息寸前。
ゾロのちんこは相変わらず、有り得ねェ堅さで俺の蕾に押しつけられてた。
ちょっと油断したらそのまま突っ込まれそうな勢いだ……マジやべェって!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ふーふー睨み合ってた俺ら。結構な時間を費やしたぜ。
だが股間の膨張に耐えきれなくなったゾロは一瞬目を閉じ
俺を押さえ込んでた手を放し……立ち上がって俺も起こした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
驚いた事に俺の目の前で……ゾロは静かに膝を折った。
 
懇願するような眼差しで俺を見上げる最強の男。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
荒い呼吸を繰り返す肺に圧迫されながら俺は待った。
喉から漏れる言葉は一つ……
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
躊躇わないで言え。その顔で……その口で
 
そうだ燃えたぎるように熱い、その瞳で俺を請え。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「てめェを……俺のモンにしてェ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それでいい。           ……完全犯罪が成立した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それからどうしたって? 馬鹿そんな事俺の口から言えるかよ。
事実上優位に立った俺はもう、組み敷かれたって文句はねェ……
 
 
 
 
「ロロノア・ゾロ」の方から俺を欲した……
それだけで充分だ、ってェ話だよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ハッピーバースディ ロロノア・ゾロ。
 
 
お誕生日に相応しい贈り物をゲッチュした剣豪に幸あれ。
あァ言っとくけどな、……浮気は絶対許さねェぞ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
END
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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まやさまより頂きましたvDLF作品2つ目ですv
 
2004.11.24
 
 
 
 
 
 
 







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