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困ったお客様達



クレーム処理 第19話


携帯などない時代のお話です。
普段は、タンスのクレーム処理は、車の運転できる男性が行くことが多いのですが、 その時に限って、皆手がふさがっており、暇だった私が行くことになりました。
作業的には、簡単で数年使って、整理タンスに傷ができ、その部分を色塗るだけという 誰での出来る事だったので、お客様と連絡をとり、日時指定して、電車で行くことしました。
会社(埼玉)から小田原に鈍行で行き、そこからバスで20分、畑の中には、大きな一軒家が お客様の家でした。
 大きな玄関のチャイム鳴らしても誰も出ません。家の周り歩くどこも電気はついておらづ、 人がいる気配がありません。たぶん買い物でも出たんだろうなぁと、仕方なく玄関先待たせてもらうことにしました。 待つこと1時間、帰ってきません。それから30分、指定の時間は、とうに過ぎっています。帰ってきません。 確か、若夫婦がいると、聞いて来たのですが。
このお客様は、ご婚礼の時に、私から婚礼タンス買ってもらい、次の年は、お子様用の整理タンス購入してもらった、 二代続けてのお客様、ご両親も知ってて、良い方だったような、などと考えて2時間が過ぎました。
何かあったのでは、と急に不安になり、とりあえず会社に電話入れようと、家の周りの道路を 見渡したのですが、畑の中、電話などどこにも見渡りません。
仕方なくバス停に戻り、駅に戻ることにしました。駅から公衆電話で会社に何か連絡があったのか、聞いてみると、 何もなしとの事。意地悪な専務が、
「どうせ 今日は何もないのだから待ってろよ!交通費もったいないしな。」
との命令に待つことにしました。公衆電話から再三電話するのですが、やっぱり留守。 え〜いと、 近くのパチンコ屋時間つぶす事しました。で1時間後電話すると、留守。また行くのに時間がかかり そうなので、バスでお客様宅向かい玄関先待たせてもらうことしました。正直パチンコに負けたことあったし・・・
バスを降り、お客様宅歩いていくと、車の陰ありました。もう 心の中でやったー叫び!! 急いで、向かうと1歳くらいの女の子連れ、若夫婦が家に入るところでした。
「あの すいません。タンスの修理伺ったものですけど。」
と声をかけると、私の顔覚えてくれた若夫婦は、謝罪してくれて、家に上げてくれました。
修理は5分かからず、終わりお茶を出されて、話聞くと、
「妻が具合が悪いと言うので、病院に行ってたんです。すいません。」
急病だったここにいないのに、笑顔の奥さん横に旦那さんは、
「おめでたでした。」
と照れ笑いしていました。もう これは怒れないと
「おめでとうございます。」
と。帰りは夫婦の車で、駅まで送ってもらった時には、すっかり夜でした。